消費者金融からお金を借りたのはいいが、なかなか思うように返済が進まない。そういう人は、意外に多くいるものです。
結果、新たに借り入れができなくなってから気づいたりします。
そういった人は「ブラック」になったと自分でも言っている割には、実際の所、状況がわかっていないものです。
(⇒ブラックの人が読むべき借入方法)
誰もが気軽に口にする「ブラック」ですが、そもそもどんな原因でブラックになるのでしょうか?時効はあるの?あるなら期間はどれくらい?
「ブラック」について前もって知っておけば、対策を練る事ができ、心配な方も多少なりとも不安が解消するのではないでしょうか。
こんなにある!ブラックになってしまう原因
消費者金融よりお金を借り入れする人は、一昔よりもかなり増えました。
「多重債務」や「自己破産」が社会問題になった時代もありましたが、今は法律も整えられて無理な借り入れが出来ない分、逆に安心して消費者金融を利用する事ができます。
借金が返済できなくなるような人は、消費者金融を利用している人のごく一部の人で、多くの人はきちんと返済をしており、上手にお付き合いしているのです。
とはいえ、現実にはまだまだ「私はブラックです。」なんて自分から名乗っている人もいます。
その中にはかなりの苦労を経験された人もいれば、言葉だけで本当の意味でわかっていない人もいます。
もちろん、まだブラックとまでには至らずとも、多少なり不安に思っている人もいるでしょう。
「ブラック」とは、一言でくくれば『借金の返済が出来なくなる事』には違いないのですが、細かく言えば具体的にどういう原因、どういう状況かで違いはあります。
ブラックと呼ばれる原因になるもの
- 民事再生
交渉により金利をカットして元本のみを返済していきます。過去に利息制限法より金利が高かった場合も、再計算してもらえます。 - 任意整理
自己破産と違って、財産の処分なく借金を減額する事ができます。 - 自己破産
裁判所に申し出て認めてもらう事で、財産を処分する変わりに借金返済の義務が無くなります。 - 延滞
厳密に言えば借金の返済は1日でも遅れてはいけないのですが、一般的にブラック扱いになるのが返済の遅れ2ヶ月以上が目安と言われています。 - 代位弁済
カードローンでは通常、保証会社が保証人となってくれます。借入者が延滞を起こした場合、消費者金融は保証会社に代位弁済を求めます。 - 強制解約
消費者金融の方から、強制的に契約を解約することです。 - 多重申し込み
一度に、または立て続けに、あちらこちらの消費者金融に申し込みをする事です。上記とは意味が多少違ってきますが、これは申し込みブラックとも呼ばれます。
民事再生・任意整理・自己破産は、まとめて債務整理と呼んでいます。
この中で、話題にのぼったり誰もが気になっているのは、延滞や債務整理でしょう。この言葉はよく耳にします。
手続きはまず弁護士や司法書士などの専門家の手を借りて行わないと、かなり手間と労力がかかったり上手くいかなかったりします。
代位弁済も強制解約も返済金の回収に関わる処理として出てくる言葉ですが、結局どれをとっても借金返済を滞らせる事から始まります。
一言で言えば、お金を返さなければ「ブラック」になってしまいます。
細かく言えば「返済」ではなく「支払」の方がわかりやすでしょうが、クレジットカードでショッピングした時も同様です。
他に心配の声がよく上がるものに、多重申し込みがあります。これは、また話が少し変わってきます。
多重申し込み(申込ブラック)は、審査が通るか心配な人が一度に、または立て続けにあちこちの消費者金融に申し込みをする事です。
複数社に申し込みをする人は、お金に困っている=返済は難しいのではないか、と消費者金融に判断されます。
この場合、借金返済に困っている訳ではなくとも、借り入れが難しくなってしまいます。
ブラックリストはない!事故情報がブラックリストの変わり?
実際に借金を延滞したり自己破産した人達の中には、自分で「ブラックリストに載った」などと言う人がいます。
状況によってはよく耳にするブラックリストですが、では、このブラックリストとは一体何なのでしょうか。リストに載るとは?(こちらもご参考に→公務員がブラックに陥りやすい理由とは)
言葉のイメージからすると単純に、ブラックになった人達のリストが存在する、という印象を持つと思います。
このリストがどこかに存在して消費者金融が持っている。そんなイメージでしょうか。
しかし、実際には「ブラックリスト」なるリストは存在しないのです。
上記にあるような様々な原因によって借金が返済できなくなった時、信用情報機関にそれらの事実が「事故情報の記録」として残る事なのです。
もちろん事故情報は、専用のリストにはなっているわけではなく、個々の信用情報として記録されます。
ブラックリストという言葉が、一般に広がった俗称だと思えばいいでしょう。
もちろん、機関に記録されている情報もブラックという表記ではありません。
信用情報機関とはどんなもの?何を記録しているの?
その延滞などの事故情報なるものが記録されている信用情報機関ですが、どういう機関なのでしょうか。
多くの消費者金融や銀行が会員として登録し、情報の共有を計っています。
会員会社は、機関で照会できる情報を元に、融資の申し込みのあった個人を審査するわけです。
主に大きく3つの機関があります。
消費者金融や銀行は大抵これらのどれか、または複数に会員登録し、個人の信用情報を提供、照会しています。
機関名 | 会員の業態 | 管理している情報 |
---|---|---|
指定信用情報機関 株式会社 日本信用情報機構 (JICC) |
信販会社 消費者金融 カード会社 金融機関 保証会社 リース会社etc. |
本人情報 申込情報 契約内容 返済状況 取引情報など |
割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関 株式会社シー・アー・シー (CIC) |
クレジット会社 リース会社 保証会社 銀行 消費者金融 携帯電話会社etc. |
本人情報 申込情報 契約内容 クレジット情報 利用記録など |
全国銀行個人信用情報センター | 銀行 金融機関 クレジット会社 保証会社etc. |
本人情報 申込情報 契約内容 取引情報 不渡情報 官報情報など |
事故情報が記録されると言いましたが、これらの情報に「異動」として代位弁済や債務整理の事実が記載されます。延滞についても、当然記録されます。
もちろん氏名、住所や運転免許証番号等、個人を特定する為の情報も記録されます。
融資の申し込みや金融取引に関わる情報管理のための機関です。以外の不要な情報は記録されない為、必要以上に心配することはありません。
事故情報が残るのはどれくらい?時効は成立するの?
信用情報機関に各会員会社から個人の信用情報が一通り記録されているという事はわかりました。
また、肝心のブラックと言われる内容に関しても全て記録される事がわかりました。
では、どれくらいの期間、記録が残るのか。これは、機関によって若干違う所もあります。
JICCの場合
記録されている内容 | 期 間 |
---|---|
本人の情報 (氏名、生年月日、勤務先等) |
契約内容に関する情報等が登録されている期間 |
申込に関する情報 (氏名、生年月日、申込商品等) |
6ヶ月 |
契約内容に関する情報 (契約の種類、契約日、貸付金額等) |
5年 |
返済に関する情報 (入金日、残高金額、完済日等) |
5年 (延滞情報は延滞継続終了まで 延滞解消は1年) |
取引内容に関する情報 (債権回収、債務整理、破産申立等) |
5年 (債権譲渡は1年) |
CICの場合
本人・申込に関する情報 (氏名、生年月日、申込商品、照会日等) |
6ヶ月 |
契約内容・支払い状況に関する情報 (契約日、商品名、残高金額、延滞・破産等の有無等) |
5年 |
利用に関する情報 (会員会社の照会の有無等) |
6ヶ月 |
全国銀行個人信用情報センターの場合
取引に関する情報 (氏名、契約内容、返済状況、強制回収手続の履歴等) |
5年 |
照会に関する情報 (会員会社が利用した日、ローンの申込等) |
6ヶ月 (本人開示の場合は1年) |
官報に関する情報 (官報に公告された情報) |
10年 |
※期間は、契約日や借入日からではなく、完済日や契約終了日から数えます。
機関により多少の内容の違いはありますが(対象が消費者金融だったり銀行だったり違う点もある為)、だいたい似たような期間、記録が残ります。
全国銀行個人情報センターの10年が一番長いでしょうか。
ざっと整理すると、共通してカードローンなどの申込をした場合は6ヶ月ほど、借り入れをした場合は、返済が終わってから5年ほど記録が残ります。
肝心のブラックに関する内容となる延滞や債務整理は、5年から10年となっています。
では、これらの期間が終了すれば時効になるのか。と言う事にになるのですが、場合によってはその期間ですまない場合があります。
特に債務整理をする場合、貸金業者から異議申し立てが行われたり、ずっと返済していなかったのに一度返済してしまったりした場合、期間が延びてしまう事があるのです。
また、消滅時効と言って、貸金業者から返済の催促もなく自身も返済していない場合、一定期間(会社と個人間では5年)経った時に消滅時効を主張すると、返済の義務を無くす事ができます。
しかし、ずっと返済せずとも音沙汰がなかった貸金業者から忘れた頃に連絡が入った場合は、この消滅時効を危惧しての対応ですので、注意が必要です。
信用情報機関に事故情報が記録されたら一体どうなる?
もし、不本意ながら延滞等起こして、事故情報を信用情報機関に記録されてしまったらどうなるのでしょうか。
一言で言えば新たな借り入れができなくなります。それは借り入れしてもらっている会社もそうですし、他社も同様です。
クレジットカードや、自動車ローン、住宅ローンも同じです。すでに借り入れしている分はそのまま返済をします。
まず借り入れしている消費者金融会社(A社)は、信用情報機関に照会しなくとも自社の情報があり、延滞をしている事はわかります。
その為、例えカードローンの限度額に達していなくとも、利用できないようストップされてしまいます。返済のみになってしまうのです。
では、他社(B社)で新たに申し込みをすればいいと思うでしょう。しかし、それもできません。
延滞の事実は信用情報機関に記録されてしまっています。
他社(B社)に申し込みをしようとも、その会社は申込者の情報を信用情報機関に照会するため、延滞の事実がわかってしまうのです。
では、さらに他社(C社)へと申し込みをするとしましょう。そこでも同様に信用情報機関に照会します。
A社の延滞の事実とB社に申し込みをしても契約していない事もわかります。延滞もですが、B社で審査に落ちた旨も予想できます。
となると、C社も返済を心配して、審査に落とす可能性が高くなります。
今度は何社も申し込みをして、申し込みブラックにもなります。(過去の事故履歴がなくとも申し込みブラックになる事もあります。)
もちろん、100%落ちるとは言いません。どこかに拾ってくれる会社があるかもしれません。
しかし、基本的には難しいと考えた方がいいでしょう。
申し込みに関しても(結果が審査に落ちて契約できなかったとしても)、6ヶ月と短いですが、申し込みをしたという記録は残ります。
また、延滞を起こした消費者金融会社に関しては、会社内の記録は消えることはありません。
その為、一旦その会社との契約が終わったとして忘れた頃に申し込みしても、新たに契約を結ぶ事はまず無理でしょう。
こうやってデメリットを考えると、まずはきちんと返済して、信用情報が消えるのを待つのが一番の得策ではないでしょうか。
自分はブラック?記録を知りたい時は情報開示を申請すればいい
残念ながら事故情報となるような延滞や債務整理をした場合、先ほど記載したように信用情報機関に記録は残ります。
記録が残っている期間をなんとか過ごし、記録が消えた頃、新たに借り入れしようと考える人も多くいるでしょう。
しかし、もしまだ記録が残っていたらと不安に思う人もいるかもしれません。
自分が記憶しているのと時期が多少なりともずれていて、まだ記録が残っていた、なんて可能性もあります。
他にも、延滞をした記憶はないけれど、よく審査に落ちる。もしかして何かしらの理由で事故情報が記録されているかも。そんな人もいます。
心配な時は、自分で情報開示申込をするのも一つの手です。該当するだろう機関で請求すれば、自分の信用情報を見る事ができます。
(消費者金融や銀行では、契約している信用情報機関がどこか、契約書等に記載されています。)
JICC
申し込み方法 | 手数料 | 提出書類 |
---|---|---|
携帯電話 スマートフォン (専用ホームページ・アプリでの申込) |
1000円 (支払方法:クレジット・コンビニ・金融機関ATM・オンラインバンキング) |
本人確認書類 (運転免許証・保険証等のコピー) |
郵 送 | 1000円 (クレジット・定額小為替証書) |
申込書 (申請書類をダウンロード) 本人確認書類 (運転免許証・保険証等のコピー) ※本人確認書類は2点必要になる書類もある |
窓 口 | 500円 (現金) |
申込書 (窓口で) 本人確認書類 (運転免許証・保険証等のコピー) ※2点必要になる書類もある |
窓口以外は、結果は郵送で届きます。なお、結果が届くまで1週間から10日ほどかかります。
CIC
インターネット (パソコン・スマートフォン・携帯電話) |
1000円 (クレジット) |
|
郵 送 | 1000円 (定額小為替証書) |
申込書 本人確認書類 (免許証のコピーと住民票、など2点必要) |
窓 口 | 500円 (現金) |
申込書 (窓口で) 本人確認書類 (運転免許証・保険証等のコピー) ※2点必要になる書類もある |
インターネットの場合は、回答は画面で確認します。(印刷可)
郵送の場合は、申込より回答が届くまでに10日ほど掛かります。
銀行個人情報信用センター
郵送のみ | 1000円 (定額小為替証書) |
申込書 (申請書をダウンロード) 本人確認書類 (運転免許証・健康保険証のコピー等) ※本人確認書類は2点必要 |
郵送にて回答が届きますが、1週間から10日ほど掛かります。
それぞれで細かい手続き方法は異なりますが、郵送の場合は少し時間が掛かるようです。
それでも実際に申請している人も多くいます。手数料は掛かりますが、心配な人は一度情報開示請求をしてみるといいでしょう。
ブラックにならないために気をつける事!自分で出来る事!
すでに延滞を起こしている場合は、これ以上事故情報を増やさないように気をつけるしかないでしょう。
しかし、まだこれから借り入れしようと考えている人や、ギリギリだけれどまだ何とか返済をしているという方は、やはり延滞にならないようしていきたいものです。
ブラックにならない為に自分でできる事は何でしょうか。
- あちこちに借り入れしている場合は、おまとめローンを考える
- 各社にある会員サービスを利用する
おまとめローンですが、ひと月の返済回数は減っても一回の返済額が増えたり、返済総額が増える場合もあるので、シュミレーションなどを利用して慎重に検討する必要があります。
とはいえ、多くの人がおまとめローンの利用を検討します。
おまとめの場合、総量規制を超えていても借り入れできるからです。また、利息が小さくなる場合もありますし、返済日は月1回(1社になれば)になります。
うっかり返済日を忘れてしまいそうな人は、大手消費者金融では大抵行われている会員サービスの利用がいいでしょう。
会員サービスでは、返済忘れを防止する為に、返済日前にメールでお知らせしてもらえるサービスがあります。
他にも、返済日を変更するなど、各社ならではのサービスがいろいろあります。
会員登録や各サービスへの申請など手間かもしれないですが、ほんのひと手間が、後々自分にプラスになる事はよくあることです。
ちなみに、すでに延滞を起こしている場合でも、できる事がまったくないわけではありません。
消費者金融と交渉してみるのも一つの手です。残りを一括返済しることによって、1年後に事故情報を消す事も場合によっては可能なのです。
【参考ページはこちら】
福岡にもブラックで借りられるところはある?