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地域限定の金融業者の特徴は?四国のアルセを検証!

全国展開してテレビや雑誌などのマスメディアで宣伝をしている貸金業者と地域を限定(あるいは地域密着型の)貸金業者ではどのような特徴の違いがあるのでしょうか。

ここでは、特に東京以外の貸金業者に着目してその特徴を検証してみましょう。今回は四国の貸金業者「アルセ」を取り上げてみます。

四国の貸金業者「アルセ」とはどんな業者?

地域限定の貸金業者は全国展開型の業者と競争するためにユニークな経営手法をとることが多々見受けられます。アルセもそんな業者の一つでした。では、どんなところがユニークなのでしょうか。

実はこのアルセ、四国の香川県高松市に本社を置き、四国四県、岡山県、大阪府及び東京都を拠点に営業していました。現在は営業をしていません。前の部分で「そんな業者の一つでした」と記述した理由はここにあります。

ユニークな経営手法をとって、現在もバリバリ営業している貸金業者ではなく、何故営業を止めてしまった業者を?と思われるかもしれません。

しかし、それにはとても大きな理由があるのです。その理由とは、アルセは現在に至るまで貸金業界に大きな足跡を残しているからなのです。

そのおおきな足跡とはどのようなところでしょうか?それは

  • スピード審査
  • 柔軟な審査
  • ネットキャッシング
  • クレジットカードの発行

というユニークな経営手法です。

現在の貸金業界ではスピード審査と即日融資というシステムも柔軟な審査もそして、ネットキャッシングもクレジットカードの発行もあたりまえのように浸透しています。

こうしたことを早い段階から実施して、速速融資というキャッチフレーズで営業をしていました。柔軟な審査については、これは借りやすい貸金業者として評判を博しました。

他に先駆けて、新しいことをやっていたということです。そういえば、香川県といえば、2011年から「うどん県」のキャンペーンを始めました。香川県の方はユニークな発想をされる方が多いのでしょうか。

ちなみに、アルセの商品内容は利用限度額の上限は100万円、年利率は25%~29.2%というものでした。利用限度額はあまり大型ではありませんが、数多い融資を実行していました。

返済の方法もユニーク!実は利用者にはメリットも

また、返済方法にもユニークなシステムを採用していました。それは返済回数を1回から12回までの選択制としてきたことです。この方式は一般的には元利均等返済方式と云われています。借り入れ金額・利息を均等割りして返済額が決まります。

これに対して、現在のキャッシング返済方法は借り入れ額に従って一定額を毎月返済する方式が一般的です。例えば、借り入れ金額が50万円超100万円までなら毎月の毎月の返済額は15,000円、50万円までの場合なら10,000円となるような方式です。

この方式は一般的には元利定額リボルビング方式と云われています。前者の方が利息の発生が抑えられることもあるので、利用者にとって有利になることもあります。

こうしたところを見ると、アルセは良心的な経営をしていたことが窺えます。

地域限定営業の場合の融資対象は二通りあります。店舗近隣の都道府県在住者を融資対象とするケースと店舗展開はある地域に限定ながら、融資対象者は全国対応というケースです。

前者は信用金庫や信用組合のカードローンでよく見受けられます。信用金庫や信用組合はもともと地域密着型の経営をしていることとともに、その営業エリアが規定されているためです。

貸金業界のターニングポイントを検証すると見えてくるもの

そうした斬新性を持っていたアルセはなぜ営業を停止したのでしょうか。

貸金業界の転機はわりと最近のことです。2006年に貸金業法が改正されました。その大きなポイントは以下の二点になります。

  • 総量規制の導入
  • 上限金利の改定

総量規制はなにも貸金業の業界の言葉というわけではありません。例えば、貿易品目で輸入や輸出ができるトータルの量が規制されている場合などにも使われますし、環境保全関係の法令で環境負荷物質の排出に対して使われることもあります。

貸金業法における総量規制は年収の3分の一を超える融資ができないという決まりです(総量規制の実施は2010年から)。利用者側の規制ではなく、あくまで業者側の規制です。

上限金利の改定においては「グレーゾーン金利の適用」が廃止されました。貸金業法の改正前は多くの貸金業者が利息制限法の金利は超えるけれども、出資法の金利を越えない範囲において金利を設定していました。

そのため、当時の出資法の上限、29.2%をキャッシングの上限金利に設定されていたことも珍しくはありませんでした。現在の上限金利は利息制限法の上限20%を超えることはありません。

こうしたことから、利益を上げることが厳しくなり、営業を止めた業者も少なくありません。

なお、利息制限法の現在の金利は次のように定められています。

  • 借り入れ元本の額が10万円未満:年20%を越えないこと
  • 借り入れ元本の額が10万円以上100万円未満:年18%を越えないこと
  • 借り入れ元本の額が100万円以上:年15%を越えないこと

また、出資法の上限金利は利息制限法にあわせて年20%に改正されています。

ところで、自分の生活基盤以外の地域の貸金業者では正規の業者なのだろうか…という心配がでてくることがあります。

貸金業を営むためには届出が必要になり登録番号を付与されています(許可制ではありません)。届出は都道府県知事または内閣総理大臣(実際の事務取扱は各地方財務局)に行います。登録業者は概ね日本貸金業協会にも加盟しています。

この登録番号や業者の連絡先は金融庁のHPで検索することができます。また、貸金業者は貸金業務取扱主任者という資格者を置かなければいけません。

実際にあったトラブル、注意してれば防げます

ここで、一点注意事項があります。ある程度知名度がある貸金業者の名前(社名・商品名)を勝手に使用する非正規の業者が存在するということです。

現在営業中の業者も営業を止めた業者も名前を勝手に使われたケースがあります。DM(ダイレクトメール)が送られてきたのです。

現在、貸金業界ではDMという宣伝ツールはほとんど使われていません。それというのも、顧客(申し込み者)から提出された個人情報は与信(審査)や必要上の事務連絡以外には使われないからです。

そのくらい貸金業者のプライバシーポリシーは徹底したものになってきているのです。利用したことがない貸金業者からのDMはまず考えられません。

そのような場合は前述した金融庁HPの貸金業者検索システムを使って確認することが大切です。

営業中の地域限定型、こんな会社がおすすめ

キャッシングでWeb申し込みがなされるようになってから融資対象も地域限定にするという貸金業者は少なくなっています。店舗の展開を一定の地域に限定して、融資対象は全国にするというパターンが増えてきました。

融資対象を営業エリアに限定するということは信金・信組と同じように顧客との親密性を大切にするというところにあります。

昨今では、消費者金融の会社でお金を借りて、返済を完全に終えたとしても、一度もその会社の人と対面しなかったということは珍しいことではありません。

しかし、地域限定の営業の場合は人と人のふれあいが生まれることだって期待できます。業者にとっては、それが会社を成長させる手段なのです。

そして、大手の会社の審査に通らなかったという方も地域限定で営業をしている中堅クラスの会社では審査に通るというケースもあるわけですので、実はこのような業者はありがたい存在と云ってもいいでしょう。(こちらもご参考に→一度審査に落ちても半年後なら借りられる?

アルセのような伝統を受け継いでいる消費者金融の会社も結構あります。大阪の「ニチデン」などはその良い例でしょう。一度、このような会社のご利用を考えてみてはいかがでしょうか。思わぬ良縁が生まれる可能性だってあります。

  • ニチデン
  • 登録番号 大阪府知事(02)第12923号
  • 日本貸金業協会会員 第002388号

「ニチデン」は融資対象地域を大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県・奈良県・滋賀県・三重県に限定しています。

貸金業者の特徴検証は以外と面白いし役に立つ

こうした情報をもとにすれば、どこの業者からキャッシングしようかな…という時の判断材料は増えるわけですし、トラブルに巻き込まれることも避けることができます。

キャッシングを利用されている方にとっては、お付き合いしている業者以外の特徴を検証することも興味深いものになるかもしれません。

【参考ページはこちら】
意外と知らない消費者金融と銀行系の違い

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