カードローンに申込む時、最初に感じる不安は「審査に通るかどうか」ではないでしょうか。
融資するに値する人間かどうか判断されるわけですから、ちょっと身構えてしまう部分もありますよね。
一体どんな項目を審査するのか、どういった流れで審査が行われるのか。
そんな、カードローンの審査の内容をある程度知っておけば、胸にある不安が解消され、審査にも挑みやすくなるでしょう。
金利や利用限度額もさることながら、最初に知っておきたい基本の知識、それは審査に関することです!
今回は、そんなカードローン審査の仕組みやポイントを解説します。
まずはカードローンの審査がどういう流れで行われるのか知ろう
どのような審査内容なのか?どういった基準なのか?といった審査の「中身」を知る前にまずはカードローンの審査がどのような流れで行われるのか…というところから説明していきたいと思います。
とはいえ、カードローンの審査は複雑であったり、特殊な流れがあるわけではありません。
手順 | 内容 |
---|---|
1 | 申し込み |
2 | 機械的な審査 |
3 | 信用情報のチェック |
4 | 在籍確認 |
このように審査をし、最終的に結果が出ます。
一般的に「審査」と言われているのは手順2及び3の部分であり、4の在籍確認までいくとほぼ審査には可決したと考えていいケースが多いです。
それでは次にそれぞれの項目の具体的な内容に触れていきましょう。
カードローンの申し込み
具体的には審査ではありませんが、申し込みをしないと審査を受けることも出来ないため記載しています。
申し込み方法は会社によって違い、インターネットから、電話から、スマホから…と様々な方法を選択することが可能ですが申し込み方法によって審査方法や審査結果が変わる、といったことはありません。
2つの方法を利用して、おおまかに審査を行う
申し込みがあると、その人の情報を元に審査が行われます。
まず行われるのは機械的な審査です。
機械的というと何か冷たく聞こえてしまうかもしれませんが、情報データ(年収や勤続年数といったもの)を自社のデータと照らし合わせたり、点数をつけるといった方法でお金を貸しても大丈夫かどうか判断します。
多くのカードローン審査において利用される審査方法は
- 属性スコアリング審査
- 属性モデル像審査
の2種類です。この審査方法については後で詳しく解説します。
信用情報をチェックしてさらに細かく審査を行う
前段階の審査で問題がなかった場合、次は「信用情報」をチェックします。
信用情報のチェックはお金を借りるという行為では絶対に外せない部分で、全ての会社で必ず行われるといっていいでしょう。
あまり耳慣れないこの「信用情報」という単語。こちらも後からどんなものなのかをしっかり解説します。
審査に可決したとしても、この信用情報をチェックして融資を控える結果になる(否決する)ことは十分にあります。
審査の仕上げといってもいいのが在籍確認
信用情報をチェックして問題がなければ、最後に在籍確認を行います。
在籍確認とは、カードローン会社が融資を申し込んだ人の勤務先に電話をかけてきちんとその会社に勤務しているかどうかを確認するものです。
カードローン会社の社名を出すことはなく、個人名にて電話が来ますのであからさまにカードローンの利用とバレることはなく安心して電話に出ることが出来ます。
また、本人が電話に出なくても勤務先に勤めているのかがわかれば在籍確認は終了となりますので
営業職などで普段あまり社内にいない方でも問題ありません。
在籍確認が取れないことで審査に否決してしまう、という可能性はありますが、在籍確認が取れたのに審査に否決してしまう、という可能性は0ではないもののかなり低いといっていいでしょう。
どの会社でも流れはほぼ同じ。これが最短30分!
この審査の流れはどのカードローン会社であってもほぼ変わることはありません。
実質的な審査の工程は3つしかないとはいえ、ここまでのことを最短30分でやるのですから最近のカードローン審査のスピードはすごいことがわかりますよね。
このスピードを支えているのが手順2における2つの審査方法。
それぞれの審査方法について、どのような審査方法なのか、そしてどのように評価されるのかを説明します。
「スコアリング」による審査って?基準と高評価の項目は?
基本的なデータの審査方法として利用される方法のひとつが「スコアリング」による審査です。
様々な項目によって点数が決められており、一定の点数以上を獲得すればOK、というシステムです。
いうなれば受験と似ているニュアンスでしょうか?
5教科のテストを受けて、その合計点数が一定以上であれば合格するのと同じですね。
どのような項目がスコアリング審査の対象になる?
スコアリングの対象となる項目は、非常に多岐に渡ります。
- 職種(雇用形態)
- 勤続年数
- 居住形態
- 居住年数
- 未婚・既婚
- 固定電話の有無
- 他社からの借り入れの有無
- 年収
- 保険証の種類
などなど、「こんなところまで?」といった細かい項目もスコアリングの対象になります。
しかもそれぞれに点数が設定されており、同じ項目でも当てはまるものによって点数が違ってくるわけです。
どういったものが高得点になる?いくつかの項目をピックアップ
項目ひとつをとっても、その中で高得点のものと残念ながら特典が低めなものがあります。
一体どういったものが高得点になるのか、いくつかをピックアップしてみたいと思います。
わかりやすい項目としてよく挙げられるのは雇用形態でしょうか。
正社員 | 契約社員 | 派遣社員 | アルバイト | パート | 無職 |
---|---|---|---|---|---|
最高 | まだ高め | まだ高め | 低め | 低め | 最低 |
点数の付け方は各社によって基準が違うので少々アバウトですが、このように正社員は一番高く
次に契約社員や派遣社員、そしてアルバイトやパートと続きます。
(⇒パートやアルバイトでも審査に通るキャッシング)
職種もスコアリングの項目として例に挙げられやすいですね。
公務員 | 医者・弁護士 など専門職 |
大手企業 社員 |
中小企業 社員 |
自営業・ フリーランス |
アルバイト・ パート |
---|---|---|---|---|---|
最高 | 最高 | 高い | 高め | 低め | 低い |
収入が安定しやすく、かつ高収入である職種がスコアリングとして点数が高くなります。
逆に収入が安定しにくいフリーランスや自営業の方、雇用形態として不安定なアルバイトやパートの方はスコアリングの点数として低くなってしまいます。
職業などに関係する他の項目として、勤続年数や年収があります。
勤続年数は長ければ長いほどスコアが高くなり、年収も高ければ高いほどスコアが高くなります。
ここからは審査に不利となってしまうラインは勤続年数であれば半年未満、年収であれば200万円~150万円未満あたりでしょう。
お金に一見関係ない項目もスコアリング対象に!
先ほどリストアップした項目の中で、一見お金を借りるために必要な情報とは思えないものもあります。
例えば居住形態や居住年数といった家に関することや、固定電話の有無などです。
これはどれだけその人の生活が安定しているかを判断するための項目で、以下のようなスコアリング基準となります。
項目名 | スコアリング基準 |
---|---|
居住形態 | 自分名義の持ち家が一番高く、 賃貸や公営住宅が低い |
居住年数 | 長く住んでいるほどスコアが高く 短い(特に満1年未満)ほど低い |
固定電話の有無 | あるとプラスになる 固定電話も携帯電話もないと厳しい |
既婚か未婚か | 自由に使えるお金が多いと判断されるため、 未婚の方がプラス評価になる |
年収がある、安定している職業に就いているというのも重要ですが
自分の生活している環境もお金を借りるためには審査の対象となり、重要ということがわかります。
とはいえ、自分の環境を点数づけされることになるのでちょっと気分が良くない、という方もいるかもしれません。
あくまでその人の全体像をつかむためのもの、と割りきってしまいましょう。
大手が多く採用、「モデル像審査」ってどんなもの?
もうひとつの審査方法として利用されているのが「モデル像審査」という方法です。
こちらは「スコアリング審査」とは大きく異なり、それぞれのカードローン会社のデータがモノを言う審査方法になっています。
顧客データから作られた「モデル」に当てはめていく方式
カードローンの申し込みをする人はこんな人だ!というイメージってありますか?…あまりないですよね。
40代の公務員の方や、20代前半のサラリーマンの方…などなど、カードローンの申し込みをする人たちの環境が大きく違うことも珍しくありません。
特に大手の会社の場合、それぞれ一人一人をスコアリングをしているとどうしても時間は多少かかります。
そこで
と生み出された審査方法が「モデル像審査」です。
例えば、あるカードローンの会社で
といった条件に近い顧客の人の利用状況は極めて良好で、優良顧客であるというデータがあるとします。
カードローンを新規で申し込んできた人の属性がこのモデルに近い場合、「このモデルと同じような顧客となるだろう」という判断が行われ、審査結果は「可決」になる可能性が高くなります。
モデルに近ければ、利用状況も近くなるであろうという予測のもとに判断がされるというわけです。
スコアリング審査と違い、該当するモデルに当てはめればすぐに判断が出来るため審査時間を短縮することが出来、早く審査結果を出すことが出来るんです。
お金を貸してもいいモデルとダメなモデルがある!?
ここで、カンのいい方は気づいたかもしれません。
「じゃあ、もし自分に近いモデルがあまりよくないものだったら?」…と。
そうなんです。「スコアリング審査」と違い、「モデル像審査」には抗うことの出来ない欠点といいますか、デメリットがあるんです。
というモデル像があるとします。
利用限度額20万円~30万円程度であれば借りることは十分に可能そうですが、ある会社では審査に可決しても、別の会社では否決してしまう可能性があります。
「これはアルバイトだからでしょ?」という声もあるかもしれません。
ですが、これが年収300万円のサラリーマンでも同じで、否決される可能性は十分にあります。
それはなぜかというと、各社によって「モデル像」の扱いが違うからです。
逆に年収が高く正社員で働いていても、延滞が多かったり他社からの借り入れが多いなどあまりカードローン会社にとってよくない顧客が多ければ
「お金を貸さないほうがいいモデル」としてデータが残ってしまうことになります。
不幸にもその「お金を貸さないほうがいいモデル」に近い属性を持っていた場合、他社では借りることが出来てもたまたまその会社では借りられない…なんてこともあるんです。
スコアリング審査であれば近い条件・環境であっても個人を審査するため可決する人、そうでない人に分かれますが
モデル像審査であれば近い条件・環境なだけで判断されてしまうため、自分に近い過去の顧客がたまたまNGモデルとなるような人たちだった場合、とばっちりを受けることになるという、ちょっとツラい審査方法でもあります。
審査の重要ポイント!「信用情報」を徹底解説!
2つのいずれかの審査を乗り越えることが出来れば、「信用情報」のチェックに入ります。
ここまで順調に来ていても、信用情報ひとつで簡単に審査が否決されてしまうこともありますので、気を抜いてはいられません!
とはいえ、信用情報とはいまいちわたしたちにとっては耳慣れない単語であることも確かです。
信用情報とはどんなものなのか、どのように審査に影響していくのかをここでは解説していきます。
信用情報は、自分のお金の履歴のようなもの!
信用情報とは、自分がこれまでに行ってきた信用取引の履歴や状況に関する情報です。
クレジットカードでパソコンを購入する、これも信用取引です。
現金による支払いは信用取引には当たりません。
あくまで信用に基づいた現金ではない取引、かつ決まった日に返済を行う形のものになります。
カードローンの審査には、今の自分の環境だけではなくこれまでのお金の使い方も対象として入ってくるということですね。
信用情報にはスコアリングやモデル像審査の時に利用されるような勤務先・年収・勤続年数などといった詳細なプロフィール
(これを一般的に「属性」といいます)に加えて
- クレジットカードの支払い履歴
- 住宅ローンの利用状況
- カードローンの利用状況
- カードローンなどへの申し込み状況
- 延滞・自己破産などの金融事故情報
といったお金に関する細かい、そして非常に重要な情報が共有されています。
それぞれの情報には保存期間が設定されており、短くて半年間で消去されるものもあれば長くて10年間情報が残るものもあります。
自分の信用情報がどうなっているのか知りたい場合、情報を開示してもらうことが可能です。
500円程度の費用が必要ですが、支払えば郵送で手に入れることが出来ますので気になる方は取り寄せてみてもいいでしょう。
信用情報はどうやって手に入れているの?
しかしこういった情報は、一体カードローン会社はどうやって手に入れているのでしょうか?
申し込みの際に様々な情報を記入・入力はしていますが今までのお金の使い方や使いみちを記入するところはありません。
せいぜい、今他の会社でカードローンを利用しているかどうかぐらいです。
どうやってこのような情報を手に入れるのでしょうか。もしや不正な手段!?…なことはもちろんありません。
カードローン会社はすべからく、「信用情報機関」というところから信用情報を手に入れています。
「信用情報機関」とは、たくさんの人の信用情報を一手に預かる第三者機関です。
日本には
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- シー・アイ・シー(CIC)
- 日本信用情報機構(JICC)
の3つがあり、カードローンなどの融資など金融に関わる全ての会社は必ずどこかの会員になっています。
銀行であれば全国銀行個人信用情報センターとシー・アイ・シー、消費者金融やクレジットカード系の会社であれば日本信用情報機構とシー・アイ・シー…といった感じですね。
会員となることが出来るのは金融に関する事業を行っている会社だけなので、他の一般企業が会員となることは出来ません。
この信用情報機関のすごいところは、それぞれ各社の顧客の情報である「属性」や「利用状況」を登録し共有しているところにあります。
どちらも同じ信用情報機関の会員となっているAとBという会社があったとしましょう。
Aでカードローンを利用している人がBに審査を申し込んだ際、Bは信用情報を照会出来るのですが
といった情報を見ることが出来ます。
逆にAはBに申し込みがあったこと、審査に可決した場合はいくらお金を貸したのか…というデータを見ることが出来ます。
それぞれの会社が情報を更新し、かつ共有しているためごまかすことは出来ません。
むしろウソをついていると詐欺の可能性がある!と審査に否決されることも十分にありえます。
信用情報できちんと返済できそうな人物かチェックされる!
スコアリングやモデル像審査ではお金をどのように今まで借りてきたのか、借りている場合きちんと返済しているのかどうかわかりません。
ここでお金との付き合い方をどうしているのかチェックし、本当にお金を貸しても大丈夫かどうか審査が行われるわけですね。
つまり、クレジットカードの返済が遅れていたり、他社からの借り入れの返済が遅れている場合は審査に可決する可能性がかなり低くなります。
属性がいいのになぜかカードローンの審査に落ちてしまう…という方は、信用情報が原因で審査に落ちてしまっている可能性が高いです。
事前に知っておきたい!審査に通るためのポイント
ここまで、どのような流れで、そしてどのような方法で審査が行われるのか大体の流れはわかっていただけたのではないでしょうか。
この審査の流れを踏まえて、申し込みをする前に審査に通るためにしておきたい、知っておきたいポイントをご紹介します。
とはいえ、属性と言える自分の職業や年収などはそうそう変えることは出来ませんので、それ以外のところにフォーカスをあてていきたいと思います。
申し込み件数は3社までに抑えよう
どこの会社なら借り入れが可能かわからないと、ついつい数撃ちゃあたる戦法で様々なところに申し込みをしたくなります。
ですがその気持ちはグッと抑えてください。
信用情報にはどこの会社に申し込みをしたのかもしっかりと記録されてしまうので、あまりに短期間に申し込んだ件数が多いと
「この人はこんなに焦るくらいお金が必要なのか」
と判断されてしまい、審査以前に否決となってしまうことがあるんです。
世間的に「申し込みブラック」と呼ばれるこの状況は絶対に避けましょう。せめて3社くらいまで。
申し込み過ぎてしまったと思ったら、申込情報が消去される半年間は控えましょう。
環境が変わってから半年間はガマンしよう
転職、引っ越し…というような環境が大きく変わった状態から半年くらい経過してから申し込みをしましょう。
申し込みにはそのような制限や条件はありませんが、あまりに期間が短いと
「もしかしたらお金を貸しても踏み倒されるのでは?」と判断される可能性があります。
慌てて申し込んで否決しても、信用情報に半年間申し込み情報が残ります。
より確実に借りることが出来るように、半年から1年は申し込みを控えるほうがいいでしょう。
自分が借りることが出来る金額を知っておく
カードローンを利用するなら切っても切り離せないものに「総量規制」があります。
銀行のカードローンはこの制限はありませんが、あまり多くの金額を貸すのはリスクが大きくなるので好みません。
どこからもお金を借りていない場合も、既に借りている場合も、希望する金額が年収の3分の1を超えることのないようにしておきましょう。
控えめの利用限度額を希望することで審査にも通りやすくなります。
審査の内容を知ることで、希望するカードローンの利用につながる
申し込みが終わったら審査結果が出るのを待つだけという、こちらが出来ることとしては非常に少ないという印象があるカードローンですが
実はちょっと意識をしたり、申し込み前に気をつけておけば審査に対して有利に働きかけることも出来るんです。
モデル像審査を採用している会社の場合、運が悪ければ否決されてしまう可能性はありますが他社では十分に審査に可決する可能性がありますし
他の原因で審査に落ちてしまったとしても、審査の基準や内容を知っておくことで対策を取ることも出来ます。
そうすれば自分が「利用したい!」と希望しているカードローン審査への可決にもつながります。
今まで「審査は可決してくれるところを探すしかない!」と思っていたあなた。
これからは「本当に借りたい会社」でお金を借りることが出来るようになるかもしれませんよ。
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