この頃目につく、「銀行系」の消費者金融会社。大手銀行の名前がつくと、一時の消費者金融会社へのマイナスイメージも打ち消されたかのようで、消費者としては、ちょっと安心して利用できるような気もしてきますね。同じ消費者金融会社なら、銀行の系列の方が信頼できそう。そんな「銀行系の消費者金融会社」にはどのようなものがあるのでしょうか?
銀行系の消費者金融をリストアップすると
ではまず、銀行系の消費者金融会社には具体的にどんな会社があるか、整理してみましょう。
「銀行系」の消費者金融には安心のイメージ
最近、特に大手の消費者金融会社の広告や看板では、「◯◯銀行の」「××銀行系列の」と、銀行系列であることを押し出すものが多く目につくようになりました。その銀行というのも、メガバンクやよく知られている銀行である事が多いようです。
消費者金融会社としては、銀行系列であることで、信頼感アップやクリーンなイメージ作りに成功している面もあるようで、利用する側からしてみても、あの大手銀行の系列なら・・・と、安心して入会、利用できるような気持ちになりますね。あの大手銀行の系列なのだから、経営も安定していそうだし、コワい取立てもないだろうしや無闇に高すぎる金利を取られることもなさそう。
またその一方で、消費者金融会社は、審査が厳しそうで敷居の高い銀行ローンよりもすこし取っ付きやすくて利用しやすい。安心感の銀行と利用しやすさの消費者金融会社、その両方のいいイメージを打ち出して、顧客獲得に繋げようというのが、銀行系消費者金融会社が増えてきた一因でもあるかと思われます。
主な銀行系金融機関にはこんなものがある
下に、有名な、銀行系消費者金融会社についてあげておきます。どこも、聞いたことのある銀行や消費者金融会社ばかりですね。
- アコムー三菱UFJフィナンシャルグループ
- プロミスー三井住友銀行グループ
- アプラスー新生銀行グループ
- モビットー三井住友銀行グループ
銀行と消費者金融会社が接近したのはどうして?
それにしてもなぜ、こんなに多くの、ほとんどと言っていい位の数の大手消費者金融界者が大手銀行の傘下に入ったのでしょうか?
(⇒プロミスは三井住友銀行と提携してる?)
消費者金融会社にはこんな事情が
まず、その理由を消費者金融会社の方から見てみましょう。貸金業法の改正により、まずグレーゾーンの金利の撤廃が行われ、以前は高く取っていた金利を、ぐっと引き下げざるを得なくなりました。
それに加えて過払い金返還請求が相次ぎ、今まで高く取り過ぎていた金利を顧客に返還しなくてはならなくなります。入って来るお金が減る一方で多額のお金を出さなくてはならなくなり、経営にとっては非常な打撃を受けることになるのです。
また、一時の、消費者金融に対するダークなイメージもあいまって、苦しい経営を余儀なくされたところも多いようです。
そんな時、大手の銀行の傘の下に入るというのは、正直助けられるようなもの。大手消費者金融会社が次々と大手銀行系列となったのにはこんな事情もあるようです。
銀行側の狙いはこんなところにあった
一方、消費者金融会社を取り込んだ銀行の方にはどんなメリットがあったのでしょうか?実は銀行は、以前から消費者金融事業に関心があったと言われています。
不景気で、貸付けリスクが高まったり、貸付けが減ったり、金利が下がったりしたことからこちらも経営が悪化、高金利でも顧客が借りてくれる、消費者金融事業は銀行からも魅力的な分野であったとか。
そういえば最近、それぞれの銀行自体も、個人向けローンカードの発行に力を入れているように見えますね。コマーシャルなどもよく見掛けるようになってきました。
消費者金融会社は銀行の債務保証も行っています
その他に、銀行が消費者金融会社と提携する理由があります。それが「債務保証」という業務です。
債務保証業務ってなに?
銀行系のカードローンを利用する時には、銀行指定の保証会社の保証を受けることになっています。つまり保証会社の審査をパスすることにより、銀行のカードローンを利用できるようになるのです。
要するに、銀行カードローンの審査は、実質、系列の消費者金融会社がやっているというわけなのです。銀行としてはまさに、この部分のノウハウが欲しかったのですから、これは当然のこととも言えるでしょう。
債務保証業務は消費者金融会社にとってもメリットがある
一方、消費者金融会社にとっても、親会社である銀行の保証業務を請け負うことによって利益が発生するのはのぞましいことです。また、消費者金融会社は親会社や系列銀行だけでなく、保証会社を自前で持っていない、系列以外の銀行の債務保証も受け付けることがあり、それによってもまた利益を作ることができます。
銀行にとっては保証をしてくれるところができ、消費者金融会社にとっては、利益を生む業務ができる。このあたりも、銀行と消費者金融双方の利益が一致している箇所と言えるでしょう。
また、このことにより、消費者も、銀行のカードローンという、イメージが良く利用しやすいサービスが使えるようになり、利便性が増したとも言えそうです。大手銀行のバックアップを受けた銀行系消費者金融会社と、消費者金融会社のノウハウを手に入れた銀行により、カードローン業務はこれからますます勢いを見せていくのかもしれません。
(⇒銀行系の審査には何が影響する?)
総量規制ってよく聞くけど、結局何が決められているの?
さて消費者金融のカードローンと銀行のカードローンについて述べられる時に、しばしば出てくるのが「総量規制」という言葉です。これらのカードローンと総量規制の関係はどのようになっているのでしょうか.
総量規制ってどういうもの?
総量規制というのは、貸金業法によって定められている規制であり、貸金業者は、顧客に対し、その年収の三分の一までの額の貸付けしかできないというものです。これは一社あたりが年収の三分の一までというわけではなく、その顧客ひとりあたりが貸付けを受けられる額が、年収の三分の一までであるということ。つまり、複数の会社から貸付けを受ける時は、その合計額が年収の三分の一以下になるようにしなさい、というものです。
そしてこの総量規制は貸金業者にのみ適用されます。つまり、銀行からの借入れについては、その額は、総量規制の対象外となるのです。たとえばすでに銀行からなんらかの借入れがあったとしても、それとは関係なしに、貸金業者からの借入れを、年収の三分の一までできるということなのです。
銀行系消費者金融からの借入れは総量規制の対象になります!
ここで疑問になるのが、銀行からの借入れがカウントされないのなら、銀行系の消費者金融会社からの借入れも対象外になるのでは?という点です。しかしこれは、実は間違い。
アコム、プロミス、モビットなどはあくまで銀行系の「消費者金融会社」つまり貸金業者という扱いなので、そこからの借入れは総量規制の対象となります。気をつけておきましょう。
【参考ページはこちら】
銀行と消費者金融のつながりに関する嘘・本当