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公庫の融資を受ける時、借金を黙っているとばれる?ばれない?

教育ローンや開業資金、小口の事業資金などを借りようとした時に、強い味方になってくれるのが、日本政策金融公庫です。でも自分は現在借金を抱えているから、審査に通りにくいんじゃないか・・・とご心配のあなた。つい、借金のことは黙っておいて、申込みしてしまえばいいさ、なんて思ってしまっていませんか?その考え、ちょっと危険なようですよ。

その借金、公庫にもちゃんと判ります

現在抱えているその借金、隠そうとしてもそのまま公庫に隠し通すのはなかなか難しいようなのです。

あなたの信用情報は共有されています

クレジットカードやキャッシング、ローンなどの申込みの際に申込み用紙に記入する、「他社からの借入れ件数」や「借入れ額」の欄。ちょっと書き込みづらい箇所ですよね。

こんなところ、多少適当に書いたって平気なんじゃない?書かなくたってバレやしないかも。そんな風に思ってしまうこともありますけれど、実はそうもいきません。たとえ他社からの借入れであっても、貸金業者には、ちゃんと調べがついてしまうのです。

では、貸金業者ではなく、公庫ではどうでしょうか。なんとなく「公庫」と聞くと貸金業者よりはやさしそうで審査も甘そうというイメージがありますが実は同じ。公庫にも、あなたが別に借金を抱えていることはわかってしまうのです。

これは、あなたの「信用情報」が、「信用情報機関」に登録され、貸金業者や公庫、銀行などはそれを照会することができるため。

信用情報とはなにか

「信用情報」とは、クレジットやローンなどの契約内容、その返済状況、利用残高等の情報のこと。つまり「信用取引」に関わる情報のことです。そこには、クレジットやローンの申込みをしただけでも、その事実が履歴として登録されます。
(⇒信用情報がブラックでも借入はできるの?

それらの信用情報が、取引している会社以外の会社や機関からも見ることができるのですから、持っている借金を隠そうとしても、公庫にはすぐばれてしまうのですね。

公庫の信用情報機関加盟は2008年以降

実は、現在の「株式会社日本政策金融公庫」が「国民生活金融公庫」であった2008年までは、公庫は信用情報機関に加盟していませんでした。これは「国民生活金融公庫」が国の機関であったから。

そのため、「国民生活金融公庫」は、持っている「信用情報」を信用情報機関に提供しない(つまり他の貸金業者や銀行からはそれが見られない)かわりに、他社の持っている、個人の「信用情報」を照会することもありませんでした。つまり、その時までは、確かに、他の金融機関や貸金業者に借金をしていても、それがばれにくかったのです。

なので現在でも、「公庫には、借金がばれない」などという説が一部でまだ流れているのかもしれません。しかし、現在の株式会社日本政策金融公庫は、信用情報機関に加盟している株式会社です。よって、あなたの信用情報、たとえば借金などは、公庫にもしっかりわかってしまうのです。

あなたの信用情報を握ってる、信用情報機関ってどんなところ?

個人の、クレジットやローンの契約内容から支払い状況なんてものを保有している信用情報機関ってどんなところ?そんな情報が他社からも見られているってどういうこと?って思いますよね。信用情報機関の仕組みについてここでちょっと見てみましょう。

信用情報機関は複数ある

信用情報機関は、その会員会社から、個人の信用情報、具体的にはクレジットやローンの契約状況や申込みの事実、返済状況などを集め、それを管理して、他の会員会社にも提供しています。これは、適切な与信に伴う貸付けを行い、つまり貸し過ぎなどを防ぐことを目的にしています。

主に、消費者金融会社や流通系カード会社などはJICCという信用情報機関に加盟しています。その他の信用情報機関として、信販会社やクレジット会社が加盟する株式会社CIC、銀行などの金融機関が加盟する全国銀行個人信用情報センターなどの信用情報機関があります。公庫はこのうち、株式会社CICに加盟しています。

信用情報機関はお互いに情報交流している

公庫がCICに加盟しているということは、他の信用情報機関、つまりJICCや全国銀行個人信用情報センターの情報は公庫にはわからないのでは?ということはCIC以外の信用情報機関の会員である会社からの借金は、公庫にばれないのでは・・・と思っちゃいますよね。

でも、これら信用情報機関はお互いに情報交流しています。つまり、お互いの情報を提供しあっているということ。ですので、結局、どこからの借金であったとしても、公庫にはその情報が見えてしまうというわけです。これは、貸金業法という、法律によって定められている制度です。

でもそういう情報って、勝手に提供しあっていいの?

個人情報やプライバシーの保護が重視されているこの頃、借金なんていう個人的な情報が、そんなに幅広くやりとりされているというのはやや意外に思えるかもしれませんね。でも実は、わたしたちは、自分の信用情報を信用情報機関に登録することも、それが照会されることにも同意をしているのです。

ローンカードやクレジットカードの申込みをする時などに、「同意する」の項目にチェックをすることが求められますよね。実はそれが、自分の信用情報が登録、照会されることへの同意なのです。会員規約の項目に盛り込まれていることも時々あります。

この同意にチェックがない場合は、契約自体が成立に至らない仕組みになっているはず。わたしたちは、ちゃんと情報提供に同意して、ローンやクレジットなどの契約を結んでいたのですね。

中小企業や個人事業を応援!日本政策金融公庫の業務について

特に中小企業や個人事業主などにとっては最も借りやすいと言われている日本政策金融公庫。それはどんな金融機関なのでしょうか?(こちらもご参考に→独立資金を借りたい!

日本政策金融公庫は、平成20年に発足した金融機関

株式会社日本政策金融公庫とは、政府系の金融機関として国民に融資を行っていた五つの金融公庫が、平成20年に統合し出来た会社です。統合された五つの金融公庫というのが「国民生活金融公庫」、「農林漁業金融公庫」、「中小企業金融公庫」、「国際協力銀行」、「沖縄振興開発金融公庫」です。

一方、住宅取得の際に多くの人が利用していた「住宅金融公庫」は現在は、「住宅金融支援機構」となり、引き続き住宅ローンの取扱いを行っています。

日本政策金融公庫の業務内容について

日本政策金融公庫は、大きく三つの事業を行っています。ひとつが「国民生活事業」で、国民一般に対する融資。小口の事業資金融資、創業支援融資、教育ローンなどを取り扱っています。

次が「中小企業事業」で、中小企業への事業資金の融資など。三つ目が「農林水産事業」で、農林水産業者向けの融資となっています。

公庫はやっぱり借りやすいの?

開業資金や中小企業への融資など、リスク面等を考えて一般の金融機関が二の足を踏みがちな分野の融資を引き受け、「国民生活の向上に寄与する」のが公庫の目的とされています。

なので、特に個人事業者や中小企業からすると、最も融資が受けやすい金融機関であるということは確かなようです。一般の金融機関に融資の相談に行っても、公庫からの借入れを勧められることもしばしばあっているようです。

借金を持ったまま公庫の融資を受けるにあたって

借金は確かにあるけれど、公庫からの融資が必要である。そんな時にはこのようなことに気をつけておきましょう。

とにかく、申請は正直に

言いにくいかもしれませんが、負っている借金などについてはありのままを申請しましょう。そこで嘘をついてしまったり誤摩化そうとしても、前述のとおり、誤摩化しきれない仕組みになっています。

申請に際し、うそを言ったということがばれれば、融資が大変難しくなってしまうのは当然のことですよね。お金に関することは、万事、正直がなによりです。

借金があっても公庫からの融資はムリではない

確かに融資を受けるにあたり、他の借金はないに越したことはないでしょう。しかし、借金そのものより、問題はその額や借り方、返済状況などなのです。お金にルーズであることが見えるような借り方であったり、返済が滞っていたりすれば新しい融資を受けるのは困難でしょうが、きちんと返済している途中である、などというところを見せれば、それほどのマイナスにはならないようです。

それよりも、たとえば事業資金の借入れであれば、事業計画や公庫からの借入れの返済計画をしっかり整えておきましょう。そちらの方が、公庫からの融資にあたっては、重要視されるものだと言われています。

【参考ページはこちら】
消費者金融は誰でも借りられるわけではない?

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