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奨学金を利用している大学生が消費者金融で借りれる理由

奨学金を利用している学生の割合は、どのくらいなのでしょうか。昔に比べて、学生への仕送り額は減少していますが、逆に奨学金の受給者率は毎年増加しています。奨学金を利用している4年制の大学生の割合は現在では二人に一人になっています。

なかには、返済しなくともよい奨学金もありますが、その条件はかなり厳しいもので、ほとんどの学生は、返済しなければならない奨学金を利用しています。そのため奨学金は低金利か、無利息の借金と同じです。借金である以上、いつかは返済しなければなりません。

消費者金融は奨学金の利用を確認することができる?

それでは、奨学金をもらっている間は、新たな借金である、例えば消費者金融から借り入れはできるのでしょうか。それともこれ以上の借り入れは、できないのでしょうか。そんな疑問にお答えしていきたいと思います。

奨学金を利用していることが、申し込んだ金融機関に知られると、ローンの申し込みが通らないと思っている人は多いのではないでしょうか。それは、消費者金融や銀行、信販会社などでは、ローンの申し込みや、利用の履歴などの個人の信用情報を共有する仕組みがあるはずだと、なんとなくイメージを持たれているためではないでしょうか。

結論からいえば、自己申告すれば別ですが、奨学金を利用していることが、銀行や、消費者金融に知られることはありません

それでは、どうして銀行や、消費者金融では、ローンの申込者が奨学金を利用しているかを知ることができないのでしょうか。奨学金を消費者金融のローンと比較することで、その理由を説明していきます。

日本学生支援機構と信用情報機関の関係は?

現在、最も多くの学生が利用しているのは、日本学生支援機構の奨学金です。奨学金は、返済しなくともよいもの、利息が付かないもの、利息が付くものに分けられますが、日本学生機構の奨学金は、利息の付かない1種と利息の付く2種があります。利用が最も多いのは、年3%以内の利息が付く2種です。

日本学生支援機構は、社会情勢の変化などから、以前に比べて奨学金の滞納が増えて不良債権が増加したことから奨学金の運営に支障をきたすようになっていました。そのため平成20年に、以前は加盟していなかった個人使用情報機関(全国銀行個人信用情報センター)へ加盟することになりました

個人信用情報機関とは、ローンやクレジットの契約内容、利用状況、返済状況が登録されている機関で、ここに登録されている、貸し出しに不利な情報をいわゆるブラックリストと呼んでいます。
(⇒キャッシングの申込みブラックって何?

では、どのような場合にブラックリストに登録されるのでしょうか。

奨学金を運営している日本学生機構では、3か月以上の延滞で個人情報が個人信用情報機関へ登録される と説明しています。3か月以上の滞納者以外の貸与者の情報が個人情報機関へ登録されることは一切ありません。ここが、消費者金融などのローンと比べたときの大きな違いです。

つまり、一般の金融機関のローンでは、お金を借りたときには、自動的に個人信用情報機関へ情報が登録されます。その場合は、きちんと支払っている情報も含めて登録されていきます。たとえ毎月契約通りに支払っていても、その情報が載るということです。

それに対して奨学金の場合は、利用者の信用情報機関への登録は、滞納を3か月以上した場合に限って登録されます。契約通りに返済していれば登録されることはないのです

奨学金は返済を一時猶予されているローンです

消費者金融のローンと、奨学金の大きな違いに、返済方法があります。一般的には、消費者金融のローンなどでお金を借りたときには、翌月から支払いが始まります。クレジットのキャッシングなども同様です。ショッピングのときにクレジットカードで支払うさいに、ボーナス払いを利用することがありますが、それでも最長で6か月後になります。

それに対して奨学金は、在学中の支払いが猶予されているため、4年制の大学なら4年間は返済を猶予されます。利用者は、大学を卒業してから在学中に借りた奨学金を返済することになります。つまり在学している間は、奨学金の支払いで困ることはないのです。

逆にいうと、卒業後には、今まで支払われたぶんの返済があるということになります。卒業後に、安定した収入がある人はよいのですが、ない場合には、生活が厳しくなり、返済が滞る可能性があります。

消費者金融では奨学金の利用を確認できません

このように、奨学金は、在学中の返済は猶予されています。そのため大学生は、在学中は、奨学金の返済をしていない状態です。そのため滞納するはずもないので、奨学金を利用していても個人信用情報機関には、載っていません

つまり銀行系、消費者金融系のいずれの個人信用情報機関でも、大学生が奨学金を利用している事実はわからないのです。奨学金を利用しているのがわかるのは、前述したように卒業後、奨学金の返済を3か月以上滞納した場合に限られます

その場合は、奨学金の返済後5年間はブラックリストに載り、クレジットカードや、ローンの利用ができなくなります 。ブラックリストに載る期間は返済後5年のため、返済が完了していなければ、いつまでも載りつづけることになります。

またブラックリストは銀行系、信販系、消費者金融系などすべての個人信用情報機関で共有されます。ある一定の業者だけで利用できなくなるわけではないので注意してください。
(⇒地方の金融業者ならブラックでも借りられる?

奨学金を利用していても借りられる理由とは

もうひとつ、奨学金と消費者金融のローンとの大きな違いに、奨学金は総量規制の対象外 という点があります。

総量規制とは、貸金業法で定められていることで、年収の3分の1を超えた貸し付けが出来ないことを言います。年収の3分の1を超える借金は、返済ができなくなるという判断から多重債務者などを増やさないようにするためにできた法律です。

通常は、この総量規制には、他社からの借り入れも含まれます。そのため消費者金融は全てこの法律の対象となりますが、奨学金を提供している日本学生支援機構は貸金業者ではないのでこの法律の対象になってはいません。銀行も同じく対象外となります。

つまり消費者金融のローンを利用するときには、奨学金が、総量規制の対象から外れるため、消費者金融から貸し出されるローンの金額が、奨学金の金額によって左右されることはないのです。つまり奨学金を利用しているから消費者金融のローンの金額が少なくなるなどの影響を受けうることはないのです。

ここまで説明したように、奨学金を利用していることが原因で、消費者金融を利用できないということは、ありえません

もしも、あなたの周りに、奨学金を利用していて、消費者金融のカードローンなどの審査に落ちた人がいたら、その人は、奨学金を利用していたから審査に落ちたのではなく、奨学金以外の理由で審査に落ちたということです。

消費者金融から借りることができる金額は?

学生が消費者金融で借りることができる金額は、決して多くはありません。最大で50万円までの会社が多いようです。さらに消費者金融で借りるには総量規制の問題もあります。総量規制では、50万円借りるためにはアルバイトなどで150万円以上の年収が必要となります。

普段は、学校に通っている現実を考えると、年収で150万円以上稼げる人は、ほとんどいないのではないでしょうか。もちろん仕送りは年収には含まれません。そのため借りられる金額は、多くても20万円から30万円くらいだと思っていた方が良いでしょう

審査に落ちたときの理由は?

では、審査に通らなかった場合にはどのような理由が考えられるのでしょうか。

  • 年齢が20歳以下の場合
  • すでに個人信用情報機関でブラック情報が登録されている
  • 収入が無いか、あっても少ない

以上の条件に当てはまると奨学金を利用していることに関係なく、審査に落ちる可能性が高いです。特に学生に多いのが携帯の端末の代金を毎月の通話料金と一緒に払う契約をキャリアと結んでいる場合です。ここでも滞納が続くとブラックリストに載ります。本人が自覚していないケースが多いので、知らぬ間にブラックリストに載っていることもあるため注意が必要です。

大手の消費者金融の審査に落ちたときには、学生ローンや、中小の消費者金融(正規の登録業者に限る)に申し込むと審査に通ることがあります。どうしても必要なときには利用を検討してください。審査基準は各業者によって異なりますので上の3点に引っかかっていても状況によっては貸し出してくれるところもあります。

奨学金を返済することで後輩も利用できます

奨学金を利用していることが原因で、大学生が、消費者金融のローンを利用できないということはありません。もしも審査に通らなければそれは、奨学金以外のことが原因です。

奨学金は卒業後の返済を滞納せずにおこなうことが重要です。ブラックリストに載ってしまうということもありますが、むしろ、その返済したお金が、自分と同じように現在奨学金を利用している後輩に使われていることを利用者は、忘れないで欲しいと思います。

【参考ページはこちら】
学生証だけでお金を借りることはできるの?

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