団体信用生命保険というのをご存知でしょうか?「知っている!」という人も少なくないかもしれません。
しかし知っているという人も団体信用生命保険というと、住宅ローンについてのものと考えている人が多いと思います。
確かに今は住宅ローンとして使われていることが多いですが、実は団体信用生命保険というのはカードローンや消費者金融でも使われていました。
それが今では使われなくなったのですが、その理由はなぜなのでしょうか。昔から今に至るまでの歴史や理由を考えてみましょう。
カードローンに団体信用生命保険が使われていた理由
その昔、カードローンでは団体信用生命保険が使われていました。団信と呼ばれて、それが当たり前の時代があったのです。
団体信用生命保険は団体で入る生命保険であり、これは簡単にいえば死んだとしても支払いが完了するというものです。
仕組みとしてはこうです。仮に借入をしていた人が死んでしまったとしましょう。そうなると消費者金融は返済をしてもらえません。
悪質な闇金などであれば家族や友人に取り立てるということが出来たでしょうが、それは昔から法律違反です。
ですので返済してもらえないわけです。そこでなんとかして損を補填しないといけなくなります。
そこで団体信用生命保険なのです。これならば死んだ人に代わって保険が降りて、お金をもらえます。
このように万が一の時にもカードローン業者は回収不能にならないように行われていたのが団体信用生命保険です。
使われていたのは簡単にいえば業者が回収を確実に行うため、と言えるでしょうね。
保証人を使う方法もあったが、一部の消費者金融だけだった
同じようにもし万が一の時のためというものには保証人という制度があるのをご存知だと思います。
保証人を使えば、保証人から回収をすることが出来ます。連帯保証人なら更に回収の可能性は上がるでしょう。
しかしこの保証人という制度には弱点がありました。一つが保証人が必要だとすると、借りられない人が多かった点です。
保証人を何処かから見つけてこないといけないので、人間関係が狭い人には借りられなかったのです。
また人間関係が広かったとしても保証人をお願いするというのはハードルが高いために気軽にお願いはできなかったようです。
もう一つ、保証人がいたとしてもその人が確実に払ってくれるという保証はなかったのです。
保証人になった人が逃げるということもありますし、そもそも収入がほとんど無いということもあるのです。
保証人になったけれども支払いを拒否するという人もいたようなので、結局回収は確実ではなかったというわけです。
だからこそ団体信用生命保険の方が、確実に借入をすることが出来るということで使われていたと考えられます。
団体信用生命保険が廃止されたのはなぜ?
しかし今の時代、団体信用生命保険が使われていないのはご存知のとおりです。住宅ローンくらいでしか使われていません。
教育ローンでも自動車ローンでもそういった仕組みがなくなったのには社会的な問題があったからなのです。
一時期クレサラ問題というものが世間を騒がせました。クレジットカード、サラ金問題の略です。
クレジットカードを使いすぎて破産してしまう、サラ金を借りすぎてしまうということが問題視されたのです。
今はほとんど言われていないですが、計画的な借入が出来る人が増えて利用者の判断力が上がっていることも影響しています。
しかし当時はクレジットカードやサラ金で破産をしてしまうという人も多く、人によっては自殺をしていたのです。
なぜ自殺するのか?と今なら思うかもしれませんが、死んでしまえば団体信用生命保険から保険金がおりるからです。
その保険金で支払いを済ませることができるので、周りに迷惑をかけないために死を選ぶ人がいたのです。
特に真面目な人ほど借入をしたら返済をしないといけないと考え、自己破産や任意整理などを行わなかったとされています。
こういった事例が多く見られたために、団体信用生命保険を使うということはなくなったと言われています。
団体信用生命保険で死を強制する業者まで…
また悪質な業者で闇金やグレーな街金などでは、死を強制する事もあったと言われています。
街金や闇金も支払不能になったら損をしてしまうということで、必死になって回収をしようとするのです。
そこで脅しのような文句をつけて、支払いをさせようとする危ない会社もたくさんあったといいます。
今でも闇金などであれば団体信用生命保険はないけれども臓器売買などをしろと脅してくるところもあるでしょう。
昔も今も大手でない中小の街金やヤミ金などは危険なところが多いということです。
団体信用生命保険の代わりに何が使われているの?
現在、団体信用生命保険は住宅ローンくらいにしか使われてないということがわかってもらえたかと思います。
理由はわかったけれどもそれだと業者は損をします。ですから他の手段を用いるようになったのです。
ある意味、この方法が取れるようになったからこそ、団体信用生命保険がなくなったといえるかもしれません。
それが信用情報を共有し、保証会社というところがお金を払ってくれるようになったからです。
これによって大きく審査が変わったといえるでしょう。これが大手の消費者金融を大きく変えたと言えます。
保証会社がちゃんとお金を補填してくれるようになった
詳しく説明をしなければ、なかなか団体信用生命保険がなくなる理由はわからないかと思います。
現在、審査と言われているものはほとんどが保証会社が行っています。消費者金融の大手は別に保証会社を持っていたりします。
この保証会社に金利の一部を渡しているのです。例えば18%の金利の内、何%かは保証会社にわたっています。
これが保険料のような働きをしています。つまり死んだ時にもちゃんとお金が業者に支払われます。
金利を一部負担しているという形になっているので、保証会社はそれを返済不能の時に割り当てるわけです。
こうして団体信用生命保険でなくても大丈夫、というような仕組みを作ることが出来たのです。
しかもこの保証会社は団体信用生命保険のように死んだら払う以外の補填も行ってくれるのです。
逃げてしまったとか貸し倒れになってしまったという時にも業者破損をすることがないので安心して貸し出せるのです。
団体信用生命保険があった時代と今はどちらが良い?
もちろん毎年のように文化もテクノロジーも発展していい方向に進んでいるのは間違いありません。
であれば消費者金融でも同じだろうと考えるのは自然なことです。実際に昔と今のメリット・デメリットを考えるといいでしょう。
例えば昔はこのようなメリットがありました。
メリット | デメリット |
---|---|
借り入れするハードルが低い | 金利が高い 脅される危険性がある 計画的でない借入も |
このようにメリット・デメリットが昔の場合はありました。団体信用生命保険があったので借入のハードルは低かったと言われています。
それこそどういう人にでも貸出をしていたのですが、最悪脅してお金を取るか団体信用生命保険があると考えていたとも言われています。
一方の現在のメリットデメリットは以下のようになっています。
メリット | デメリット |
---|---|
金利が低い 死んで保険金を払う必要はない |
借入審査が厳しい |
というようになっていると言えるでしょう。
最大の違いは審査が楽かどうかだ
特徴としては審査が厳しくなったということです。総量規制が入って一段と厳しくなっています。
昔はあまり考えなしに貸出をしてもOKでした。規制も緩く脅してお金を払わせればよかった時代もありました。
そしてそれでもダメなら団体信用生命保険を使って借入を補填しようと考えていた悪い業者もいました。
その代わりに保証会社は保証をする範囲というのが非常に広くなりましたし、損をしやすくなりました。
例えば自己破産だとか任意整理と言った方法もそうですし、死んだ時や夜逃げなども入っています。
昔よりも範囲が広くなったこともあって、審査を厳しく見るようにしたというわけです。
そうすれば実は危ない人だったという人に貸出をすることもなくなりますから、損をしにくくなるのです。
ちゃんと返済するだけの余力があり、常識がある人なら審査はあまり問題ないかと思いますので心配しすぎなくてもいいでしょう。
消費者金融を安心して使える時代になった
以上のように今は団体信用生命保険が消費者金融では使われていません。そして保証会社がその役割を果たしています。
この状況をどう思うでしょうか。人によっては昔のほうが借りやすかったから昔のほうがいいという人もいるでしょう。
しかし昔のほうがいいという人もいるかもしれませんが、多くの人にとっては今のほうがいいと思われます。
もちろんデメリットも有りますが、メリットの方が大きいです。それらのメリットはこんなものが考えられます。
- 借入をするときに金利が低く返済負担が軽い
- 自己破産や任意整理が最悪の場合は使いやすい
- 審査が厳しいが普通の人は借りられる
この辺りがメリットと考えていいでしょう。
消費者金融を普通の人が使いやすくなった
これらのメリットを一つ一つ考えていきましょう。一番わかり易いのは負担が軽くなるというものです。
負担が軽くなるので、返済が楽になります。支払金額が少なければ借りやすくなるのはだれでもわかるでしょう。
以前までは自己破産や任意整理ということをするものではない、と考えていた人が多かったのです。
日本人は真面目と言われていましたが、まさにまじめに返済をしようと考えて自殺しようとするのです。
自殺してお金を返済しようとするほどマジメなわけですが、こういうことをする必要がなくなりましたし、しても意味がなくなりました。
そして最後の普通の人にとってプラスという点は見逃せません。審査が厳しくなったのはその通りです。
しかしアルバイト・パートでもいいので働いて収入がある人なら問題なく借入をすることが出来ます。
今まではそうじゃない人も借りられました。無職の人や多重債務で苦しんでいる人などもたくさんいたのです。
そういう人たちが借りると、どうしても返済ができなくなル可能性が高くなります。
そうなると一般の借入をしている人たちにとっても損になるのです。最悪業者が倒産してしまう可能性だってあります。
今は審査が厳しくなりだれでも簡単にはかりられなく放っていますが、その分まず業者が倒産することはありません。
それだけしっかりとスクリーニングして、貸出する人を見極めることが出来るようになっているのです。
ですので一般の人、借入ができるレベルの人にしてみれば全く問題がないということになります。
初めての人でも消費者金融が使いやすい時代に
結論としては消費者金融を初めて使うという人にとっても、今ほど使いやすい時代はないのではないかということです。
自殺してまで支払いをしないといけない、団体信用生命保険はありませんし、金利も厳しく規定されています。
今ほど初めて借入をする人が借入をしやすい状況にある時代はないでしょう。消費者金融は初めての人にも優しくなりました。
もちろん長く使っている人に取っても実績で評価してもらえるので、ちゃんと借りやすくなっています。
昔と比べて今はいい時代になったんじゃないでしょうか。
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