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意外とみんな知らない!銀行と消費者金融の関係について

近年、カードローンに関しては銀行と消費者金融の違いがわかりにくくなっています。

例えば、以前は消費者金融だったレイクは、今では新生銀行のカードローンのことですし、カードローンも消費者金融だけではなく、バンクイックのように銀行がおこなうものも増えています。

銀行と消費者金融を取り巻く環境が変わることにより、それぞれの関係は以前と比べると大きく変わっています。

ここでは、意外と知られていない銀行と消費者金融の関係について説明していきます。

消費者金融が銀行のカードローンの保証会社を務める背景

銀行と消費者金融の関係で、一般の人の関心が高いことは、銀行のカードローンの保証会社を消費者金融が勤めていることだと思います。

なぜ、消費者金融が保証会社になるようになったのかその背景を説明していきます。

消費者金融の経営が悪化

2010年に、貸金業法の改正でグレーゾーン金利が撤廃されたことにより過払い請求が増え、そのことが消費者金融の経営を圧迫していったことはご存知でしょうか。

その結果、武富士のような大手だけではなく、多くの消費者金融が倒産することになりました。

グレーゾーン金利とは、利息制限法で定められた上限金利を超えているが、出資法で定められている上限金利には満たないものを言います。

具体的には、出資法で定められている上限金利の年29.2%以下で、利息制限法で定められている、10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は15%を超えている金利がグレーゾーンの金利となります。

2010年6月18日に改正貸金業法が施行され、それ以降にグレーゾーン金利は発生していませんが、それ以前に借りていた人は、グレーゾーンで借りている可能性があります。

2010年6月17日より前に、グレーゾーンで借りていた人が、例えば年率29.2%で借りていたぶんと利息制限法で定められた金利の差額ぶんを戻すように、消費者金融に請求するのが過払い請求です。

消費者金融を銀行が傘下へ納める

この過払い請求とグレーゾーン金利の撤廃により高い金利での貸し付けができなくなったことから消費者金融は、経営が悪化し、中小の消費者金融の多くが倒産していきました。

平成18年に1万4千社あったものが、平成25年には6分の1以下の2217社になっています。大手の消費者金融の多くも自力での再生が厳しい状態となります。

また一方で当時の銀行は、企業などへの大口の融資が伸び悩んでいる時期で、小口の個人向け融資を新たな収益の柱に考えていましたが、そのノウハウに欠けていました。

無担保の個人向け融資では、返済能力のない人に貸してしまえば、担保がありませんから資金が回収できないリスクがあります。

そのため大手消費者金融のもつ個人融資の豊富なノウハウは、銀行が、ぜひとも欲しいものだったのです。

銀行側の思惑と大手消費者金融側の思惑が一致することで、大手消費者金融は、銀行の傘下に収まっていきます。

消費者金融を傘下に収めた銀行(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行など)では、例えば即日融資など、その消費者金融の持つノウハウを銀行カードローンで活用していくことになります。

また、消費者金融は、自らの持つノウハウを生かして銀行カードローンの保証会社になることで新たな収益を生み出していきます。

この保証会社という制度が銀行カードローンを成立させていると言っても過言ではないでしょう

消費者金融が銀行に足りなかった部分を埋めることで、銀行カードローンという新たなビジネスが誕生したのです。

銀行カードローンにおける保証会社の役割

今までは、銀行カードローンの保証会社を消費者金融が勤めることになった背景を説明させてもらいました。

これからは、保証会社の役割について詳しく説明させてもらいます。保証会社は、消費者金融では見かけない制度です。一方で銀行のカードローンには不可欠の制度です。

保証会社が債権の保全を行う

カードローンで担保や保証人を不要とする代わりに万が一、返済できなかったときには保証会社が返済を代わりに行う制度です。

要は、保証会社が借りた人の連帯保証人になっていると考えればよいでしょう。返済ができなかった場合には、代わりに保証会社がいったん銀行に返済することになります。

これは、返済の遅れや、返済できなかった人の債権を保証会社が銀行から買い取る形になり、それ以降は銀行ではなく保証会社の消費者金融がその債権を引き継ぎます。

このことは、返せなかったときには、銀行ではなく、保証会社の消費者金融から督促されるということを意味します。

つまり、ある人(Aさんとします)が30万円銀行のカードローンから借りているとします。

そのAさんが返済日までに返済ができなかった場合、既定の日数を過ぎると保証会社がAさんの代わりに銀行に返済をしなければならないのです。これを代位弁済といいます。

保証会社が銀行に代位弁済したからといって、その借金が無くなるのではなく、それ以降は、そのAさんの債権を銀行から保証会社が引き継ぐことになります。

Aさんは、今後も保証会社の消費者金融から、督促をされるということです。

これは、銀行は、債権の回収を行う必要がなく、利用者を集めることに専念できるということでもあり、銀行のメリットは大きいのではないでしょうか。

カードローンの審査を行う

申込や、増額にあたっては保証会社の審査がおこなわれます。上記のように、もしも返済ができなければ保証会社が、借りた人に替わって銀行に払うことになります。

そのため、銀行のカードローンでは保証会社による審査が、銀行の審査とは別におこなわれます。

よく「保証会社の保証を受けられる方」などの文言が申込書に記載されていますがそれは、銀行の審査以外に保証会社の審査があるということを意味しています

保証会社が違うカードローンを申し込む方がよい

複数の銀行のカードローンの保証会社をしている消費者金融があります。そのため審査に落ちたら、同じところが保証会社になっているところに申し込むのは避けた方が無難です。

例えばアコムは、三菱UFJフィナンシャル・グループ以外にも、セブン銀行、じぶん銀行の保証会社になっています。

そのため三菱UFJフィナンシャル・グループのバンクイックに落ちたなら、セブン銀行、じぶん銀行以外のカードローンに申し込んだ方が、審査に通る可能性は高いはずです。

主な銀行カードローンの保証会社一覧表

銀行 保証会社
三菱UFJフィナンシャル・グループ アコム
セブン銀行 アコム
じぶん銀行 アコム
三井住友銀行 SMBCコンシュマーファイナンス(プロミス)
ジャパンネット銀行 SMBCコンシュマーファイナンス(プロミス)
住信SBIネット銀行 SMBCコンシュマーファイナンス(プロミス)
新生銀行 新生ファイナンシャル(レイク)
みずほ銀行 オリエントコーポレーション

保証会社(消費者金融)と銀行の関係は密接につながっている

どうでしょうか、消費者金融と銀行の関係はおわかりいただけたでしょうか今までの。今までの話を最後にまとめてみたいと思います。

一時は隆盛を誇っていた消費者金融も、グレーゾーンの撤廃から経営難となるところが続出し、大手の消費者金融でも、今では銀行の傘下に入り銀行のカードローンをバックアップする保証会社となっています。
(⇒消費者金融は銀行よりも借りやすい?

一社で複数の銀行カードローンの保証会社をしているところもあるほど保証会社に対する銀行側の需要は高くなっています。

保証会社は、銀行カードローンの審査を行うほか、返済が滞った場合には、代位弁済するなど債権の保全を行う役割を持っています。

そのため返済が滞った場合には、保証会社から督促されることになります。

また銀行カードローンで審査に落ちたときには、同じ保証会社の銀行よりも、違う保証会社の銀行に申し込む方が、審査に通る可能性が高まります。

銀行のカードローンの審査は保証会社の消費者金融が行っていることは、覚えておいた方がよいと思います。

【参考ページはこちら】
銀行と消費者金融、審査に違いはある?

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